錦秋の古都を散策する。
秋の京都は、至るところに紅葉の名所があります。
東山、嵯峨野、洛北・・・。
ときには日常の喧騒を離れて、燃え立つ木々の紅に身をまかせ、
情趣たっぷりの紅葉狩りを楽しんでみてはいかがですか。
燃え立つ紅葉の美しさに、思わず感嘆。洛東、そして高雄界隈。
京の紅葉どころ、といえば数えきれないのど名が挙がります。ここでは幾多の名所の中から、とっておきのおすすめスポットを厳選してご紹介。
まず、東山の山裾を伝う洛東の、真正極楽寺真如堂。11月も下旬になるとあたり一面が鮮やかな紅色に染まり、おびただしい落葉に覆われた美しい風景に出会えます。本堂の前には大枝を広げた楓が見事な朱色を放ち、三重塔を包み込むように広がる朱は、しばしば時を忘れる美しさ。
また同じ洛東の法然院は芽葺き屋根の山門を覆う紅葉がしっとりと味わい深く、心に染み入る風情が楽しめます。春と秋だけ特別拝観できるので、訪れる際にはぜひ確認して。
そして、平安の昔から紅葉狩りの名所として謳われた、高雄界隈。なかでも神護寺は6万4千坪もある境内全体が息をのむほどの錦に染まり、まさに絶景。

華やかさと静けさと。空気まで朱色に染まる鞍馬、嵯峨野、嵐山。
洛北の貴船、鞍馬界隈は、洛中よりひと足早く11月上旬が見頃。貴船神社の参道は、朱塗りの灯篭が並び、紅葉の紅が覆いかぶさって、趣のある風景が楽しめます。
嵯峨野、嵐山界隈も忘れてならない紅葉の名所。二尊院には「紅葉の馬場」という参道があるほど、あたり一帯が紅葉に覆われて、それはそれは見事です。かの昔、都びとが優雅に舟遊びに興じたように、大堰川に浮かべた屋形船の上から見る紅葉もまた幻想的。
修学院離宮の周辺に点在する古刹巡りもひなびた風情があって、いい雰囲気。離宮は京都御所同様に事前に宮内庁への申し込みが必要なので、確認しておくこと。詩仙堂、圓光寺本堂前に広がる庭園は、池を取り囲む楓がひときわ美しい。
さあ、今年の紅葉狩り。あなたは、どなたと、どの場所で、燃え立つような錦の秋を心ゆくまで堪能されますか。