ぶらり 大阪秋物語
1.芥川の家並
1 古き良き時代を偲ばせる芥川の家並
2.
3.
2.3 素盞鳴尊(すさのおのみこと)神社
昭和46(1971)年に嶋上郡衙跡・山陽道跡と合わせて国の史跡に指定。

JR東海道・山陽本線の新快速利用で「大阪」駅から約15分という好アクセスを誇る高槻は、関西屈指のベッドタウンです。都心に近い立地条件ではあるものの、豊かな自然に恵まれています。また、街のあちらこちらで歴史の足跡を見ることができます。

JR「高槻」駅から北へ、歩いて20〜30分ほどの散策コースのひとつへ出かけてみましょう。駅に近接した芥川商店街のアーケードを抜けると歴史を感じさせる寿司店があり、そこから斜めにのびる道はかつての高槻城へと続く道でした。現在でも、城跡公園へたどりつくことができます。寿司店のすぐ側にある歴史散策コースの案内標識に従い歩いていくと、いたるところに格子窓のある風情ある家並が。このあたりは、かつて参勤交代でにぎわった西国街道「山崎道」の宿場町「芥川宿」だったそうです。旅篭30軒以上が置かれ、大名行列や多くの旅人が行き交った、かつてのメインストリートでした。さらに歩いていくと、高槻を南北に流れる芥川に出会います。春になれば、美しい桜並木で人々を魅了する芥川遊歩道は、地元の人に人気の散策スポット。犬の散歩やジョギングをする人、読書を楽しむ人などがのんびり過ごしています。遊歩道から横道へ、そして西へ向かうと「嶋上郡衙跡」があります。約1300年前、律令制時代の郡行政の中枢「嶋上郡衙」の遺跡です。近畿地方で最初に確認された地方官衙であり、また、当時の集落構造を知るうえで重要な遺跡であり、一帯は国の史跡に指定されています。おだやかな田園風景や住宅地に、なにげなく顔をのぞかせる歴史の1ページがあちらこちらで見られるのは、古来より栄えた高槻ならではの魅力でしょう。

高槻を語る上で、忘れてはならないのが高山右近。1571年、父・高山飛騨守からその地位を譲り受け、高槻城主となりました。その後は、織田信長の下で本丸や二の丸、町家までも塀で囲む堅牢な城作りをすすめるほか、キリスト教布教にも力を尽くします。高山右近高槻天主教会堂跡からは右近時代の日本最古のキリシタン墓地も発見されています。 やがて、キリシタンに厳しい時代になり、右近は信仰を守ることと引き換えに、領地と財産を捨ててしまったそうです。その後、加賀で暮していた右近は、キリシタン追放令を受け、マニラへと旅立ちました。しかし、到着後まもなくの1615年に病気で亡くなったと言われています。阪急「高槻市」駅より南へ徒歩で約10分ほどのところにあるカトリック高槻教会の聖堂前では、カトリックの本山、ローマ・クラレチアン総会長から贈られたと言われる大理石製の右近像を見ることができます。

高槻市街の歴史散策の後は、少し足を伸ばして自然豊かな摂津峡公園がおすすめ。春は桜、秋は紅葉が楽しめる景観美あふれるスポットです。峡谷清流にはアユやアマゴなども生息し、渓流釣りの穴場としても有名です。また、周辺には温泉と料理が楽しめる温泉旅館も点在し、湯治をしながらゆっくり休日を楽しむことができます。

古きよきものに出会うだけでなく、高槻には新しい風も吹いています。JR高槻駅前では再開発が進められ、昨年、駅北側に商業施設「アクトモール」や高層住宅が竣工しました。また、毎年ゴールデンウィークと秋には全国からも注目度の高い「高槻ジャズストリート」が開催されます。GW中の2日間でのライブには1000名以上のミュージシャンが参加し、約20のライブ会場では、毎年10万人以上の観客がジャズを楽しみに訪れる、国内有数の音楽イベントとなっています。今秋は10月23日に開催が決定。内容や参加ミュージシャンなどはHPで確認できます。(URL:http://www.0726.info/)新旧の魅力があふれた高槻は、知れば知るほど好奇心をくすぐられるスポットです。

4 芥川遊歩道
4 芥川遊歩道
芥川の西側にある遊歩道。
5 旧芥川宿
5 旧芥川宿
西国街道「山崎道」の宿場町だった場所。芥川町3〜4丁目付近
6 芥川一里塚
6 芥川一里塚
府の史跡。江戸時代に街道の一里毎の目印に築かれた。
高月駅前界隈
にぎわいの絶えない高月駅前界隈